

着物の柄場がカビにより変色しています。花柄は染料でなく、胡粉(貝殻から作られた白色顔料)で彩色してあります。
変色は漂白をして落として行くのですが、テストすると漂白→洗浄する際に胡粉が剥がれてしまうので、胡粉を使い重ね塗りすることで変色を抑えていきます。

胡粉の濃度を調節して花柄に均一に塗っていきます。濃い変色は残っているので、あとは徐々に塗り重ねて周りと合うように修復します。

ほとんどカビ変色も抑えられていると思います。
あとは、金彩の剥がれなどを直して完了です。

白の胡粉場なら単純に上塗りすれば変色は隠れますが、周りの柄に違和感なく直すにはケースバイケースで、色々な工夫が必要になります。